社名について

    最初のブログですので、当社の社名を「円周社」としたいきさつについて少し説明したいと思います。

 名前をつけるということは、何にせよいざ考え始めると結構難しいものです。今回、私も社名をどうするかあれこれ悩みました。いくつかの案が浮かんでは消えた末に、「できるだけ私の思考から離れた、抽象的なものがいいのではないか」と考えるようになりました。たとえ私の「思い」や「趣向」のようなものを社名に込めたとしても、しばらくすると陳腐で凡庸なものになりかねないと思ったからです。

    そこで会社の所在地の番地(3丁目14番地1)が円周率とたまたま4桁まで同じであったため、これを使ったらどうだろうと思いつきました。ただ「円周率社」ではさすがに変ですので、それで円周社。

    そんな話を、執筆をお願いしているある先生に話したところ、次のようにおっしゃられました。
「子どものころ、円周率を知ったとき、まっすぐな定規があれば円の外周を計算できることに感動した記憶があります。円周自体を直接測ることはできなくても、直径を測るまっすぐな定規があればよい。社会の本当に大切なことを、手持ちの道具で知ることができる、そんな会社のイメージですね」
これには驚きました。そういう受け止め方があるのかと。と同時に、背筋が伸びる思いがしました。人々の見方は、私個人の想像をはるかに超えていくもの。これから書籍を世に出していく上で、多くの方々がこの会社を通じて「社会の本当に大切なこと」を知っていただければいいのではないか。そのための「まっすぐな定規」であろうとする気持ちは忘れてはならないと感じました。

    「円周」や「円周率」について全く別のイメージを抱く方もおられるでしょう。もちろん、それぞれの見方で当社と関わりを持っていただければありがたい。事後的ながら、そんな「思い」だけはこの社名に込めました。

(原藤健紀)

2025年7月30日

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